キャリー・トレード
キャリー・トレードとは金利の安い通貨で資金を調達し、金利の高い通貨で高利回りに運用し高収益を狙う投資手法です。
近年は、長期に渡り日本円は非常に低金利がつづいていたので海外のヘッジファンドが円で資金を調達し、高利回りで運用し巨額の利益をあげているといわれています。
キャリー・トレードを成功させるためには、調達する通貨が低金利であることと、為替レートが弱含みであり続けること、の二点を見極める必要があります。
国内の金利が低ければ、円安傾向になりやすいわけではありますが、為替レートを決める要因は金利だけではないので、為替リスクは避けられないことになります。
外国為替証拠金取引でキャリー・トレードをねらうということは、外貨のロングポジションを作り、ロールオーバーで長く持ち続けスワップ金利を受け取るというやり方になります。
為替レートで利ざやを稼ぐのが目的ではないので、円の下落を積極的には狙ってはいないわけですが、一定以上の円高になれば、せっかく稼いだスワップ金利が為替差損に喰われてしまいます。
ヘッジファンドの場合、巨額の資金で相場自体を操作できるので、ノーリスク・ハイリターンですが、我々一般投資家はそういうわけにはいきません。
しかし、振り替えると、日本に生まれたおかげで、投資資金は円であり自動的に低金利、また長期的には円安傾向にあったため90年代以降10数年に渡ってキャリー・トレードの機会に恵まれていたともいえるわけです。
この時期、外国為替取引を始めた方は善戦するチャンスが、それなりにあったかもしれません。
今後は金利も徐々に上がるでしょうし、円レートも強含みに展開しています。
円でキャリー・トレードをねらえる時期は、そろそろ終わりなのかも知れません。